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漫画『接客業をやめた人』

先日とあるSNSで、実話を描いたという漫画を見ました。

スーパーかデパートらしき売り場。
店員である『私』と『先輩』
そして、たびたび来店しては毎回『先輩』をターゲットに怒鳴りまくる『クレーマーおじさん』の話。

先輩は毎回おじさんに泣かされながら『死ねばいいのに』とまで思い詰め、結局、退職にいたる。最後は晴れやかな顔で「もう接客の仕事にはつきません」と去る。

おじさんは先輩が辞めたと聞いて「馴染みの客に挨拶もない」と怒鳴り、以来、二度と来店していない。

最後に私がつぶやく
「おじさんは今日もどこかで、誰かを泣かせているのだろうか? 」


自分は違和感を覚えました。
なぜ話に『店長』が出てこないんだろう?

普通なら最初に先輩が叱責されてる段階で、店長がすぐに「あとは私がうかがいます」とクレイム対応すべき事態。

そして『私』を含む同僚は、毎回、傍観してばかり。後で報告されたり、対処法がミーティングされた気配もない。
毎回、同じように怒鳴り怒鳴られっぱなし。
それがサービスですか、と。

古くは「お客様は神様。反論してはいけない」という企業文化もありましたが、そんな時代ではありません。

世間にむけて店を開いていれば、いろんなお客様が来ます。
更年期や体調不良などから憂さ晴らしにくる人もいるでしょう。それはその人なりのことだからしょうがない。それでもお客様なんだから。

話を聞いて、お客様が間違っているなら「間違っています」と指摘してあげるのが、本当のサービスではないのか?

この店にいた皆さんは先輩ひとりを犠牲にして、お客様との関わりを手抜きしたんだと自分は思います。

クレイム対応なんてただの仕事。然るべき立場にいる人が勇気と誠意をもってやるだけ。そのための役職手当なんだから。

たったそれだけのことを、まるで野生の熊が現れた!みたいな大騒ぎにしてしまうから、誰も救われないんだと思う。

先輩を辞めさせたのは、おじさんじゃありません。要はクレイム対応という文化もなければ責任もない、残念な現場でした、ということです。自分はそういう現場こそビジネスの世界からなくなってほしい。

タイトルは『接客業をやめた人』でしたが、
『何もしなかった私達』が相応しいと思います。

コーギモモ

男性/57歳/神奈川県/飲食業
2020-09-12 00:19