映画『幸せなひとりぼっち』を観賞

人生に失望した頑固な中年男と隣に引っ越してきた一家との交流をユーモアを交えて描くヒューマンドラマですが社会面にも踏み込んでます。
(セクシャリティー、移民、教育、老後福祉など、スウェーデンは福祉の国のイメージがありますが近年の不況や高齢化で盤石ではありません)

主人公の男性は規律にうるさい頑固者、頼まれてもいない住宅街(日本の分譲地のような)の見廻りを毎日行い、口やかましく周囲からは疎ましく思われる反面どこか頼られてるような。

40年以上勤めた会社からもリストラされ、先立たれた妻への思いからくる寂しさや人生の失望感から自殺を試みるも隣に引っ越してきた一家の婦人にことごとく邪魔をされ、喚き散らします。
しかし、婦人はお構い無しに頼み事をしていき、当初は鬱陶しく思っていた主人公にも変化が・・・。

主人公は頑固で気難しく写りますが偏見がなく優しい面が見られます、大抵しかめっ面ですが時折見せる笑顔に温かさを感じられます。
子供に絵本を読んでやるシーン、同性愛者とのやりとりや移民の婦人に運転を教える辺り(個人的にここは好きなシーンの一つ)
そして、回想で写される主人公の半生。
父との思い出、ロマンチックな恋、そして、彼の人生に影を落とす悪夢の瞬間・・・・。
不器用ながらも正直に生きてきた人間の魅力は観ているこちらの心を掴みます。

ラストは今の日本人が無くしたコミュニティーが出ていますね、
回想シーンでいつの間にか主人公との距離が縮まり特に劇的でもない最後にジーンと来てしまいました。

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