社員掲示板
必要に迫られて。
おそらくは若者であろう。最近、ファーストガンダムを観たらしく「ガンダムって反戦がテーマなんでしょ。なのにロボットの格闘戦がカッコいい!とか、ベテランオタクさん、人が死ぬのにグロくない?」というポストをされていて、早速、オジ達から「ガンダムは反戦がテーマじゃねぇーし!!!」と多数のツッコミを受けていた(笑)
そう。ガンダムは反戦ではないのよね。
争いは人の業として必ず起こりうる。その上で、やむを得ず戦争に巻き込まれる少年少女たちが必死に生き抜く姿を描いている。
もちろん、戦争を肯定しているわけではない。
まずは富野監督が『人間ドラマの映画を撮る』という動機があり、アニメのフォーマットだから、オモチャ会社がスポンサーに付き「宇宙ロボットを出せ」と注文がつく。
宇宙人という悪役も、正義のヒーローもいない、人間ドラマで宇宙ロボットを出すなら、舞台は『戦争しかない』という必然。
作家性ではなく『監督業務』の判断ということ。
未来の戦争なので、誘導ミサイルや無人ドローンで攻撃すればヤラれにくいはずですが、それではロボット同士の近接戦闘が成立しない。だから『ミノフスキー粒子を散布』という、レーダーを無効化する架空の物質を設定した。
「なぜ素人がいきなりガンダムを動かせるの?」ということに整合性をもたせるために、主人公は『機械好きな少年』であり『ガンダムを作った科学者の息子』であり『ニュータイプ』という宇宙時代の新人類という設定になってる。
これらはやはり富野さんの作家性ではなく、番組を無事に成立させるための業務のひとつなんだよね。
ガンダムのテレビシリーズの中で、地球に降りたホワイトベース(宇宙戦艦)の『タムラ』というコック兵が艦長に「もう塩の在庫がない」と報告する。人間は塩を取らなければ生きていけない、戦争どころではない、と、乗組員総出で砂漠に出没するという『移動塩湖』を探す話がある。
一応、子供番組の体なんだけど(笑)
こういうドラマがガンダムで描かれる面白さであり、富野監督の作家性。軽々しくも薄っペらい『反戦』などではないんだな(◔‿◔)
コーギーモモ
男性/58歳/神奈川県/飲食業
2025-04-29 00:23