クラッシュシンドローム
今日コードブルーが最終回でした。
最終回で出てきたのが「クラッシュシンドローム(クラッシュ症候群・挫滅症候群)」でした。
このクラッシュシンドロームは阪神淡路大震災で有名になった疾患です。
瓦礫の下に足などが長時間挟まり、筋肉が損傷することによって起こります。
話は変わりますが、皆さん、心臓ってどうやって動いているか知っていますか?
実は電気で動いているんです。心筋細胞が電気を発生させ、それが決まった順番に心臓に伝わることで動きます。もっと詳しく話すと難しくなるので簡略化させていただきますね。
その電気を発生させるもとになる物質がカリウムです。このカリウムは心臓だけではなく、手足などの筋肉を動かすときにも使われます。即ち筋肉の細胞に存在する物質です。
ここでクラッシュシンドロームの話に戻ります。瓦礫の下敷きになり、足が挟まれた時、足の筋肉の細胞が破壊されます。その破壊された細胞から大量のカリウムが血液に漏れ出します。しかし足は瓦礫に挟まれて圧迫された状態なので、血流は遮断され、カリウムが溶け込んだ血液は足に留まったままです。
救助の時に瓦礫が退かされます。瓦礫が退かされる=血流を遮断していたものが無くなるということになります。足に留まっていた大量のカリウムが溶け込んだ血液が心臓に一気に流れ込みます。カリウムは心臓を動かすための電気を発生させる原料ですが、量が多すぎると心臓の至る所で電気を発生させるため、心臓が痙攣したように震えてしまい、心臓が上手く動かなくなってしまいます。この痙攣した状態が不整脈(ドラマでは心室粗動:VTという不整脈)です。ドラマでは除細動(電気ショック)で対応していました。
救助するドクターとナースは瓦礫が退かされる前に除細動のパットをあらかじめ胸に貼っていました。きちんと準備していたからこの急変に対応できたんですね。
クラッシュシンドロームが日本で知られたのは最近です。地震大国の日本では忘れてはいけない疾患だと思います。
長文失礼しました。
snowdrop
女性/37歳/神奈川県/看護師
2017-09-19 02:05