社員掲示板

酸性とアルカリ性

酸性とアルカリ性、皆さんはどっちが危険だと思いますか?
多分「酸性」と答える方が多いと思います。塩酸とか硫酸とかのイメージがあるからですかね。酸性も危ないですが、アルカリ性も危ない一面を持っています。
救急外来に勤めていて、こんな事例がありました。
自宅に置いておいた業務用の台所洗剤を触った子供が火傷を負ってしまい、一部皮膚が黒色に壊死していました。いわゆる化学熱傷というものです。
この火傷を負わせた薬品は強いアルカリ性洗剤でした。強いアルカリ性はたんぱく質を融解し壊死させる作用があります。さっき書いた火傷の事例は皮膚に付着したアルカリ性の洗剤が皮膚のたんぱく質を溶かし皮膚を損傷させたことが原因です。
皆さんは食器用の漂白剤を使ったことありますか?あれもアルカリ性の洗剤です。漂白剤が指につくと指紋が薄くなってしまったり、指先がツルツルするのは皮膚のたんぱく質を溶かしているからです。
他には排水口用の洗剤もアルカリ性洗剤の一つです。排水口に詰まった髪の毛が溶けるのは強いアルカリ性で髪の毛のたんぱく質を溶かしているからです。
アルカリ性の洗剤が皮膚に付いてしまった場合は、流水で良く洗い流してください。
今回の事例は皮膚に付いた事例でしたが誤飲をしたケースもあります。
誤飲した場合は無理に吐き出させるのは禁忌です。アルカリ性はたんぱく質を溶かすので食道や胃の粘膜も溶かします。無理やり吐かすことにより、洗剤が再び食道の粘膜に接触するため、粘膜損傷が悪化する場合があります。
飲めればコップ1杯程度の牛乳を飲ますと良いでしょう。牛乳のたんぱく質や脂質が胃や食道の粘膜を保護すると共に薬品のアルカリ性を薄める役割があります。
しかし牛乳を飲んで良い場合はアルカリ性の洗剤や薬品を誤飲した時だけです。石油系の薬品(除光液・灯油・ネイル)、除虫剤は牛乳を飲むと牛乳の脂質に溶けて体への吸収を速めてしまうので飲ませないでください。
予防としては子供の手の届くところに薬品や洗剤を置かない。誤飲したり、接触して皮膚損傷が発生した場合は、出来れば上記に記載した応急処置を行う。そして速やかに病院に行って下さい。
長文失礼しました。

snowdrop

女性/36歳/神奈川県/看護師
2017-09-29 21:16

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いつもありがとうございますm(__)m
本当に為になります。

うみ

女性/40歳/神奈川県/美容師
2017-09-29 21:44