本日の案件
8年前も、そして今でも泣いてしまう事が1つあります
金融機関に勤めていた時に出会った男性の先輩との思い出です
その先輩はいつもYシャツを腕まくりし、誰よりも一生懸命に仕事をする人で、係りは違いましたが、毎朝給湯室で胃薬を一緒に飲み「よしっ!今日も頑張ろう!」とお互いを励まし1日のスタートを切るという、いわば戦友でした
先輩は職場の先輩後輩を大切にし、そして悩み多き20代を過ごした私をいつも気にかけてくれ「お前は賢い子だ!俺はお前がちゃんと答えを出せることを知っているし、その答えが正しいことを俺は信じているから、安心して見守ることができるんだ」といつも励ましてくれました
その後先輩は転職をし別の金融機関で働いていましたが、それでもお互いの近況報告がてら定期的に二人で会っていましたが、その日は普段と違い「たまには美味しい中華のコースでも食おうぜ!俺のおごりだ!」と先輩が言い出し、どうしたんだろう?と思いながらも、先輩の変わらないいつもの豪快な笑い声と笑顔に元気をもらいました
それから2ヶ月ほどメールの返信が無く「仕事、忙しいのかな…大丈夫かな?」と思っていたときに先輩から「寒くなってきたけど体調は大丈夫か?実は俺、あの日会ってからすぐに入院したんだ」とメールがありました
どうやら健診で肺癌がみつかり治療のために入院、その間も「体調はどうだ?」「ストレス溜めてないか?」「仕事はどうだ?」と病院からいつも私の心配ばかりしてくれました
季節が秋から冬に変わり「もしかしたら一時退院出来るかもしれない!そしたら会おう」と連絡がありましたが、願いは叶いませんでした
先輩の訃報を聞いたのは私がとある資格試験を受け、試験会場を出て携帯の電源を入れてすぐの事でした
もしも試験前夜に連絡を受けていたらショックで私はおそらく受験しなかったと思います…受験することを知っていた先輩の粋な計らいだったのかな?という気持ちと大切な人を失った大きな悲しみが入り交じり、溢れる涙を堪えきれず何度も途中下車をして自宅に帰りました
あれから8年が経ち、私は先輩と同じ年齢になりました…今でも先輩を思うと涙が溢れます
ななきゅん77
女性/46歳/千葉県/会社員
2017-10-26 13:17