クリスマスなぁ~
25歳くらいだったか、
とあるレストランチェーンの本店で、キッチンのサブチーフとして働いていました。
ある年、本店ビルの地下にケーキ工房が新設されて、そのこけら落しにクリスマスケーキをグループで販売することに。
順調にクリスマス3日間で900個の予約を受けたのはいいけど、初日400個出荷しなければいけない2日前になって、ほとんど作業が進んでいないことが発覚。
ケーキ工房は若い女性のパティシエが3人て運営していたんですが、通常の仕事に追われて、段取りすら取れてなかったんです。
その事態を知った部長が怒り心頭で本店に乗り込んできて 「お前ら!近くにいて、なぜこんなになるまで放っておいたー!」と、店長・シェフはじめスタッフ全員を整列させて怒鳴りはじめました。
僕は嫌なパターンの予感がしたんで、列の最後尾で、部長の視界に入らないように隠れてたんですが「おい!モモはどうした?どこいった?」と呼ばれてしまって。
「ハイ」
「モモ、お前な、クリスマスは店に出なくていいから、今からケーキ工房いって、4日間でケーキ900個、仕切ってこい!わかったな!? 」
「ハイ」
あぁぁぁ、やっぱり( ̄▽ ̄;)
地下のケーキ工房に降りていくと、本当に何も終わってなくて(笑)パティシエのお姉ちゃん達は3人ともぼろぼろに泣きながら仕事しているという最悪の状況。
とりあえず、 仕込みの段取りだけ伝えて、同じビルの会議室に冷房ガンガン入れて、臨時のデコレーション部屋にして、自分はそこにこもって、ひたすら仕上げ作業。
毎日、夜中の3時に仕事を終えて、近所のホテルで1時間だけ仮眠して4時には出勤。午後の昼飯のあとに1時間だけ仮眠。
あとの延々、ケーキを仕上げる。
箱詰めする。
それが4日間、続きました。
最終日の朝。
最後の出荷分を送り出した直後に倒れこんで、そのまま爆睡。起きたら夕方でした。シェフに「もう、帰っていいよ」と言われ、まだまだクリスマス気分の街中を家路に向かいました。
普通に『作業が辛かった』という以上に「これがクリスマスにやることか!」という想いで空しくなり。
翌年は冷凍倉庫を借りて、12月の頭から少しずつストックすることになって。
もっと早く気づいていれば(笑)(  ̄▽ ̄)
コーギモモ
男性/58歳/神奈川県/飲食業
2017-12-19 05:41