カンチは馬鹿正直
                        
                            数年前の事です。
ある休日の夜、私は夕飯を買う為
近所のスーパーに向かって歩いていました。
人通りの少ない道を歩いていると、
向こうから痩せた中年男性が歩いて来て、
突然私に声を掛けて来たのです。
「あのぅ、〇〇駅はこの道で合ってますか?」
そこで私は丁寧に道を教えてあげました。
すると、何やらこれから仕事で
千葉に向かわないといけないのだが、
車で迎えに来てもらうはずだった
息子が来られなくなり、
手持ちのお金も無く困っている、との事でした。
男性に声を掛けられたのは神奈川県川崎市の某所。
「3000円あれば高速バスで向かえるので、もし、
持っているようであれば貸して頂きたいのですが。」
と言う男性。
そこで身分証を提示し、私に写メを撮らせ、
更に一筆書いて渡して来た男性を信じ切った私は、
3000円を貸し、寒い冬に薄着をしていた彼に
温かい缶コーヒーを買ってあげました。
「ありがとうございます!明日必ず電話します!」
と言われたのですが、
それから1週間経っても連絡は来ず、
私は警察に行きました。
しかし、その場で解決する事は出来ず、
私が男性を信じた先は闇…
人生の勉強代3000円を払ったのでした。
因みに、それから約1年後警察から
その男性が捕まったとの連絡があり、
私が信じた男性は…
出所したばかりの詐欺の常習犯だったのでした。
                        
                        
カンチは馬鹿正直
男性/38歳/神奈川県/会社員
                            2018-02-05 13:08
                            

