不思議体験案件!
若いころ友人の下宿に集まって酒を飲んでいました。「鍋にしよう」と、友人のSが買い出しに行くことになりました。しかしSはいつまで待っても帰ってこず、1時間すぎ2時間すぎ、いくらなんでも遅すぎると思い、僕はSを探しに出かけました。大通りに出ると警察が集まって何やら現場検証をしている様子。「まさか?」と思ってみて見ると、いつもSが自慢していたエメラルドグリーンの自転車がグシャグシャになって、大型トラックの横におかれていました。それ以上にショックだったのは地面にチョークで「肉片」「肉片」「肉片」とあちこちに書かれていました……。慌てて友人の家に戻り状況を友人に話しましたが、もはや飲み会どころじゃなくなりました。「親に電話をするべきだろ?」「親の電話番号知ってるやついるか?」そんな話しをしているうちに、下宿の廊下を足を引きずるような音が聞こえ…「ドンドン!ドンドン!」とノックの音が。「オレだよ…開けてくれよ…」間違いなくSの声でした。おそるおそるドアを開けるとボロボロの格好をして血まみれのSが立っていました。驚く僕らにSは言いました。「そこで事故っちゃって、せっかく買った肉を全部ぶちまけちゃったんだよ〜」
すいよう西田
男性/52歳/東京都/フリーライター
2013-08-14 17:16