カラ元気も元気のうち。
僕が敬愛して止まぬ映画監督の押井 守さんの言葉によれば「映画は『anytime , anywhere 』を描くものだ 」という。
anytime , anywhere
= 今ではない、いつか。 ここではない、どこか。
少し先の未来を予感させたり、遥か戦国時代や、ファンタジーの世界で妖精と戯れたり。
少し前にも、冷戦時代のアメリカの『水と半魚人の世界』で心地よい想いをしてきたところです。
現実逃避なのかもしれませんが、現実に磨りつぶされそうな時には良い薬になるのかも知れません。
異世界を生きる感覚。
空気感。アトモスフィア。
エンタメの基本。
「原始家族フリントストーン」や「宇宙家族ロビンソン」なんてアメコミのアニメがあったけど、あれって実は普段づかいの家電や道具がロボットや恐竜になっただけで、感覚は現代生活とまったく変わらないんですよね(笑)
そこに笑いはあっても夢はない。
僕があまり好きではない超有名SF映画も、超有名魔法少年映画も同じく。
特撮のビックリ感はあっても夢を見ている感覚はない。
近年、小・中学生のイジメをリアルに描いたアニメがあったけど、現実のイジメ体験がある人や、今、まさにイジメ被害のただ中にいる人からしたら、その映画をみることに「何か意味があるんだろうか?」と思った。辛さの追体験にしかならないんじゃないか、と。
映画だけじゃなく、絵画の世界や、本の世界。
レストランや洋菓子屋なんかも実は、異世界のエンタメを提供しています。
震災の後 「 これだけの激しい現実が目の前に現れて、エンタメなどチャチな嘘にしかならないのではないだろうか、映画など作っている場合ではないのではないか 」と発言し、自粛宣言の横断幕をスタジオの屋上に掲げた老アニメ監督がいましたけどね。
とんでもない!
厳しい現実があるからこそ、ほんの一時でも、やさしいウソが必要なんじゃないのか。
7年前、うちの店も節電消灯は2日で止めたよ。
町中が暗いからこそ、うちの店くらいは明るくしてやれ!とね。
死者は悼むけれど、僕の仕事のベクトルとは別の話だと思っています。
また明日も頑張ります。
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2018-03-16 01:58