案件
皆様、酷暑の中生きていらっしゃいますか?
半世紀ほど前、東京の大根で有名なところに住んでおりました。
大根を作って、たくあんに漬けている大きな農家がありました。その農家には野球グラウンドがあり、働く方たちの息抜きであり、また季節になると漬け樽や大根の干し場になっていました。そしてお盆の頃にはお祭りが行われておりました。
貧乏小僧達は出店は見るだけ、踊りにも興味が無いので、お祭りには行きませんでした。
しかし、お祭りは開かれた翌日の早朝に会場へ行って、落ちている小銭を拾って小遣いとして駄菓子屋さんへ行くことを楽しみにしていました。毎回数百円拾って仲間内で山分けして、最小有効通貨単位が5円でしたので、駄菓子屋さんでは豪遊できました。
ある年、落ちている財布を見つけ、中に緑色の500円札と赤い100円札数枚を確認しました。貧乏小僧どもにとって、お正月のお年玉でしか見ることができないお札がそこにありました。相談した結果、皆で交番へ行き落とし物として届けました。
すると年配のおまわりさんから「よく届けたね。ところで、今日はいくら拾えた?」と聞かれ、全員蒼白で固まっていると、「おまわりさんも知っているからね…、お祭りの時の小銭だけだからね…、それでもお札や財布はちゃんと届けないとドロボーになっちゃうからね…」と言われ、逃げ出すように交番を出ました。
その日の駄菓子の味はよくわかりませんでした(笑)
FUJI2
男性/66歳/東京都/自営業と自由業は違うんだぞっと…個人事業主さまは言ってみる~
2018-07-23 13:40