本日の案件
みなさん、お疲れ様です。
これは僕が以前、先輩から聞いた話です。
その先輩は、前職で建設機械などを販売する商社で営業として働いていたことがあり、その時の体験を話してくれました。
先輩は、普段どの営業マンが行っても、まず話さえ聞いてくれない、それほど大きくは無い建設会社に営業に行ったそうです。
どうせ門前払いだろうと、ダメもとで訪問したところ、予想に反して、物凄く対応が良く、社長自ら、お茶を出してくれ、商談もとんとん拍子で進んでいきました。
先輩も、契約がとれる嬉しさで、その社長との雑談も弾んでいました。
ただ、気になったのは、先輩のプライベートをやたらしつこく聞いてきたことでした。
身長、体重、さらに家族構成や、血液型まで・・・
その時は、それほど気にも留めず、上機嫌で、営業所に戻り、上司にも、ほぼ契約が取れると成果を報告しました。
さらにプライベートな雑談の内容まで、上司に話したとき、それまで一緒に喜んでいた上司の顔色が急に変わり、真顔でこういわれたそうです。
「お前、その客先には二度と行くな。契約も適当に口実付けて、絶対に取っちゃダメだ」
先輩は、当然、腑に落ちない気持ちでしたが、上司のあまりの深刻な顔に、逆らうこともできず、言うとおりにしました。
それから、しばらくして、先輩は、その建設会社が倒産したことを知りました。
そして、社長が焼身自殺したことも知りました。
後から聞こえてきた噂では、「あの社長は焼身自殺なんかするたまじゃない」と言うものでした。
先輩は、その話を聞いたとき、背筋が凍ったそうです。
ちなみに、その社長と先輩は、背格好がほぼ同じだったそうです。
あやかぜ328
男性/60歳/神奈川県/会社役員
2018-08-01 17:19