ダマされ案件

本部長、秘書、社員の皆様お疲れ様です。
数年前の事です。道で女性が絵葉書を配って居たので、何気なく受け取ろうとしました。
しかし女性はその絵葉書を渡してくれず、戸惑う私に「お話しがあるので、こちらに来て下さい。5～6分でいいので」と地下に行く階段を笑顔で指さしました。
どう考えても怪しい提案なのに、ヒマだった私は付いて行ってしまいました。付いて行った先はたくさんの絵が飾られてある広い部屋。
「ペースメーカーをつけてるお客様もいらっしゃるので携帯の電源をお切りください」と言われ、電源を切った私と女性は一緒に絵を見て回りました。
一通り絵を見た私に女性は「気になった作品はありましたか？」と聞いてきたので、適当に選んだところ女性はその絵を壁から外し、「こちらへ」と別室に案内されました。
ソファーに座った私に女性が手渡したのは絵の金額と分割払いになった場合の金額が書かれた紙。
「買うつもりはないんですが」と言う私に絵の魅力と部屋に飾った時の充実感を熱心に語る女性。給料の金額やボーナスの日まで聞かれました。
「この絵は私も大好きなんです。同じ絵を好きなお客様を最後まで担当したいんです」とも言われました。
身の危険を強く感じた私はどうしても外せない用事があると言って、強引に逃げました。
ダマされたということではありませんし、今では話のネタに使っていますが、何歳になっても知らない人に付いていってはいけないということですね。

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