愛と青春の旅立ち
という、アメリカの士官学校の映画があって。
新入生が教官の軍曹に罵倒されるところから始まるんですが。軍隊に所属する者には皆、階級があり、士官候補生にはまだ階級がないから。
「 お前らは、ここでは人間以下だ!わかったか!」と。
返事はイエス・サー!とノー・サー!だけ。
言い訳、口ごたえ、質問返しはできない。
上官とは目をあわせることも禁じられている。
日々の厳しい訓練(シゴき)で脱落者も出る。
しかし、軍曹はプロの実戦経験者であり、一人でも多くの若者が戦場で死なないよう、規律と訓練を叩き込んでいる。
やがて、卒業式。
軍曹が卒業生ひとりひとりに少尉任官の辞令を手渡し、最敬礼で見送る。
「本日はおめでとうございます」
任官した瞬間から、訓練生はもう少尉となり軍曹より階級は上だから、昨日までの厳しい罵倒がウソのように、軍曹は敬語で直立不動。もちろん目も合わせない。
「これが軍隊というものだ、よく見ておけ」と、無言で最後の教えを諭しているような。
そして、無事に卒業した君たちは、自分の誇りである、とでもいいたげな。
感慨深いシーンです。
ある種の極限状態の中で職務を全うしなくてはならない職業において、いわゆるシゴきが有効なこともきっとあると思うんです。
うちのキッチンでも、火、刃物、ガス、熱湯、油など、命に関わるようなことについては、自然と身に付くまで厳しくシゴかれます。
こればかりは、
個人の意見も権利もなく、
のんびり成長を待つことはできません。
例えば、彼女に振られた。昨日、徹夜で遊んでしまった。悩みごとがある等々、意識が飛んでいていても、身体が反応するように。もちろん正常な時に心にスキが生まれても、やっぱり身体は先に動いているように。
だから、トラウマぐらいでちょうど良い。
「指を切り落とすより怒られるほうがマシだろ?」とね。
現在の僕は拳はふるいませんが、それは道義・道徳として間違ってるからではなく、最近は、方法論として有効じゃないからで、別に暴力や恫喝や罵倒、それ自体が悪いとは、まったく思っていない。
例えば、もし、自分が『救助』されるなら。
シゴかれた隊員と、シゴかれてない隊員なら、
シゴかれた隊員に命をあずけたい (笑)
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2018-09-14 03:40