親父の祝い金
本部長殿 秘書殿
お疲れ様です。
恩を返せていない相手は実の親父です。
今から二年前、結婚を考えていた女性を両親に紹介しました。その数日後、親父に二人きりでの夕食呼び出されました。
夕食の乾杯をした後に、親父からおもむろに封筒を差し出されました。中には大金と手紙が入っていました。
夕食を終え、電車を待つホームで手紙を読みました。内容は結婚が決まり本当に嬉しいとの旨が書いてあり、結婚に掛かる費用の足しにして欲しいとの事でした。
読み終えたら泣いてました。
その後、結婚を約束した相手とはいろいろとあり破談となりました。
そして親父から頂いたあの大金は返しました。
その時の残念そうな親父の顔に恩を返せていません。
長生きして待っていてくれ、親父。
アキオちゃん
男性/44歳/千葉県/会社員
2018-11-20 17:44