忘れられた日本人
俳優・坂本長利による独演劇『土佐源氏』。今年 上演50周年を迎え公演回数は1200回を超えているそうです。
『どんなお話なのだろう』
と、興味を持ったのがきっかけです。
“土佐源氏”は、民俗学者・宮本常一『忘れられた日本人』の中にあります。年老いた盲目の老人が、“ばくろう”をしていた若い頃の色事の語りです。それを坂本氏が舞台化しました。
『忘れられた──』は、文字の知識がない老人達から聞き取りをし日本の風俗や伝承を記録として残し 後の世に伝える為に記されました。掲載されているのは、昭和10年代と25年頃 で 主に西日本の農村や漁村を宮本氏が訪ね歩いた時の記録です。
この本☆めちゃくちゃに面白い☆
じーさんが語る戦争の話は、長州征伐やら西南戦争だし、ばーさん達は嫁姑問題を。夜這いの話しや五箇条の御誓文の一条を取り間違えて起きた珍騒動やら、そこにはにわかに信じ難い庶民・日本人の姿がありました。飢饉や奉公、みなしごの話。どこをとっても思わず『本当なの?』とつぶやいてしまいます。
私は祖父母と縁が薄かったので、父母世代の事しか聞いたことがありません。『忘れられた─』を読んで、実に勿体ない事をしたと思いました。
今年、一番感動した本です。
豆乃花
女性/56歳/東京都/自営・自由業
2018-12-23 21:19