案件~自分のことであれなんですけど…~
本部長、秘書、皆さま、お疲れ様です。
私がまだ高校生だった時のことです。学校帰りでアルバイトを終え、徒歩15分程のバス停に向かう途中にとんでもない大雨が降ってきました
傘を持っておらず、あっという間にずぶ濡れになってしまいあきらめてバスを待っていました。自宅はかなりの田舎で、そちら方面へのバスは1時間に1本。しかもついさっき行ってしまったようで1時間近くは待たなきゃいけない状況でした。途中、別の方面行きのバスが何度も停まるのですが、その度に「乗りません」と言い何本もバスを見送っていました。そしてまたバスが停まり、扉が開いたので「乗りません」と言うと、その運転士さんはエンジンを停めて、当時車内で販売していた傘を持って降りて来たのです。しかも自ら包装ビニールを破り、傘を広げて私にさしてくれました。終始無言でさっさとバスに乗り込んでしまった運転士さんに慌ててお礼を言い、「定期券で乗っているのでお金は持っていないしお代を払えません!」と伝えると、軽く手をあげて「いらないよ」とだけ言ってバスを発車させました。私はしばらく呆然としてしまいましたが、なんだか映画のワンシーンのようで、20年経っても忘れられない素敵な雨の日のエピソードです。
ピアノ弾きのウタ歌い
女性/43歳/神奈川県/専業主婦
2019-01-09 14:46