あの頃の、お前。

あの頃の、お前。

今を去る事、46年前。
小学三年生の俺よ。
お前は、算数が得意だ。
走るのは、学年トップクラスだ。
地元ローカル遊びのラビットは学年で一番。
そして、授業中に、お前が喋れば、クラス中が大爆笑。
間違いなく、俺の人生の中で一番輝いている、お前。

だが、忘れるな。
本当の、お前は生真面目《きまじめ》で、人見知りだという事を。
翌年、担任教師が変わり、クラス替えになると、
お前は爆笑王では、なくなる。


現在の俺よ。
今の世界は、お前が50年以上かけて造ったものだ。
爆笑王に、ならなくてもいい。
一人でもイイから、目の前の人を幸せにしろ。
生真面目で人見知りでも、お前なら出来る。
不器用で失敗してもイイ。
目の前の人を一人でも幸せにしたいと願うなら、
今の、お前を褒めてやる。

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