ピンチヒッター
お疲れさまです!
あれは大学2年の4月、所属していた軽音サークルの新入生歓迎ライブの前のこと。新入生歓迎ライブでしたが、わたしたちのバンドは昨年引退だった先輩が1人いて、引退ライブは残念ながらその先輩がインフルエンザで出られなかったので、先輩の本当の引退ライブも兼ねていました。
わたしはバンドでリードギター担当で練習していました。ある日の練習で、ボーカルとベースの子が曲や演出の方針で少し揉めた結果、ボーカルの子が「わたしバンド辞める!ライブも出ない!」と、突然の脱退。それもライブの1週間前。どうしようかと頭を抱えていたら、先輩から「今から新しいメンバー探すのも無理だし、悪いけど代打やってくれない?」とわたしに白羽の矢が。ライブ1週間前にして、リードギターからギターボーカルに変更です。
ギターボーカルなんてやったことないし、ギターも覚えきれてないのに、歌詞も覚えなきゃいけなくて、ギター弾きながら歌わなきゃいけなくて、本番まで1週間しかなくて、すごく大変だったことしか覚えてません。それでも、バンドメンバーみんなに「ゆず茶は歌も上手いし、他にメンバー入れる気も起きないし、本当にお願い!」と言われたらやるしかなく…。
歌詞もギターも頭に叩き込んで、どうにか迎えた本番。ばっちり歌詞は飛んでしまいました(笑)
それでも、引退する先輩へのサプライズが成功したり、「ボーカルよくがんばったね!」とか「歌上手かったよ!」っていろんな人にお褒めいただき、なによりも引退の先輩から「このメンバーでバンドできて俺は幸せだ!!」って言ってもらえて、わたしは号泣でした。
あの一件でメンバーの結束が強くなり、バンドメンバー全員が子持ちになった今でも年に1回は集まるくらい仲良しバンドなので、あのときピンチヒッター頑張って本当によかったです。
ゆず茶
女性/34歳/神奈川県/薬の専門家
2019-01-24 08:07