今日の鼻歌
【 ヨイトマケの唄 / 美輪明宏 】
『ヨイトマケ』とは『ヨイっと!巻け!』というかけ声に由来するそうで、昔、ビルの工事現場で大型機械のない時代に、作業員が数人でロープつながれた大木を振り上げて作業した様子を表すようです。
今では信じられないですが、当時、作業員の方々には卑しい職業だと偏見もあったようです。
女性が就ける職業が限られた時代、母子家庭のお母さんが従事されることもあり、そんなお母さんの苦労と、子供の頃は職業差別せいで いじめられたりもしながら大学まで修めた息子の、母への感謝の気持ちを歌った曲です。
ところがこの曲の発売まもなく、歌詞の中に作業員の方々を蔑む禁止ワードが含まれるとの理由で放送禁止となります。
しかし、歌が持つ感動は脈々と人々の中に受け継がれ、社会状況の変化もあり、30年ののちに『紅白歌合戦』で歌われるまでになりました。
時代は変わる。
そして、
昔、RCサクセションというバンドが、反核・反原発の歌が含まれるアルバムを作ったところ、所属するレコード会社の親会社が、原発を推進している電機会社だったために、圧力がかかって、発売中止に追い込まれました。
怒ったリーダーの清志郎さんはレコード会社を移籍してアルバムを発売。当時パーソナリティーをしていたラジオで「俺らのアルバムを発売中止にしたヤツ。知ってるヤツがいたら写真を送ってくれ! 新曲のジャケットに使ってやるぜ!」と叫んでいました(笑)
しかし、清志郎さんが飛び出したレコード会社も、移籍先のレコード会社も、共に外資の大手に吸収合併されて、今や同じグループ会社です。
時代は変わる。
その清志郎さんといえば、かつてRCサクセションとは別ユニットのザ・タイマーズというバンドで【土木作業員のブルース】という歌を出したところ、やはりヨイトマケと同じく、土木作業員という言葉そのものがタブーだったのか、某ラジオ会社で放送禁止ということになりました。
その後、タイマーズが出演したテレビの生放送で、そのラジオ会社をコキ下ろす歌を歌い、全国放送されるという事件もありました。
時代は変わった、のか。
音楽は配信の時代。動画サイトでは放送禁止のコンテンツも誰もが見られるようになり、放送禁止なんてのも有名無実になりつつあります。
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2019-02-09 23:47