反面教師
僕が小6の時の担任は、看守や、鬼軍曹を通り越して『独裁者』とでも呼ぶべき男で、まぁ、当時にしても際立って体罰恫喝は当たり前。自身の出世のために生徒を踏み台にすること いとわず。
すべて自身の理想を僕らに押し付けた。
キャラ物 禁止令、長ズボン禁止令などから禁止令は数知れず、厳しい服務規程、給食の食べ方から、卒業文集の内容にまで検閲が入った。
「でも」と言うと叱られる「言い訳すんな」と。
冤罪でも申し開きする前に「どうせ、お前に決まってる」と裁かれたりして、まこと人権無視なわけだが、こちらも冤罪に10倍する余罪があるものだから「ま、いいか」と黙って殴られる(笑)
まぁ、ヒドイ教師でしたよ。
ところが学習指導は抜群なんだよね (* ̄ー ̄)
親たちはあっという間に担任の味方になった。そりゃそうだ、学年でも札つきの悪バカ クラスがあっという間に綱紀粛正され、成績も上がったのだから。
つか、それまでが酷すぎたんだけど(笑)
僕らは一旦、公の場での悪事からは撤退しましたが、だからと言って、イタズラを止めることもなく、より巧妙に悪さすることを覚えただけだけど。
一方で、公の場においては、言いなりなだけじゃなくて、担任を『教師』として尊重しましたよ。「息子も受験だし、家のローンもあるし、出世にこだわるのも仕方ないよな」と。
担任は「常識とは何か、世間が求める正しさとは何か」を僕らに叩きこみ。勉強や体育の成績は上げた。私立にも数人送りこんだ。
そこはブレてなかったから。
僕らは僕らで、それを素直に「正しい」とは認めなかっただけだ。しかし、担任のおかげで一般的な善悪は理解できたから。
それで十分だろ。
強制的指導がなんだってんだ。
摘まれて出なくなるような芽には、
最初から才能なんかないんだと僕は思うけど。
担任は僕らの卒業後、しばらくして教頭になり、三つくらい校長を歴任し、最後は区の教育委員会から、教育長まで登りつめました。
まったく、さすが、食えない親父だな、と
僕ら当時のクラスメイトはその報にふれて苦笑した。それはそれで「勉強になりました」という気持ちがあるよね。
コーギモモ
男性/58歳/神奈川県/飲食業
2019-02-23 01:04