3月11日を迎えようとしています。
8年前のあの日、私は、山形県からすぐに被災地へ行く準備をし、翌日には被災地に入り、想像したこともないくらいの悲惨な状況を目の当たりにし、それでも1人でも多くの命を助けたいと一生懸命活動した元陸上自衛官です。
あの震災を経験したことで、人生の全ての価値観が変わりました。
被災地では、お金が1億円あろうが、スーパーなどに食品はなく、食べる物すら買えないこと。
電気がなくてはファンヒーターすらまわせず、暖をとることすらできない人が多かったこと。
ガソリン・灯油もなかなか手に入らないこと。
現代の生活を作る、当たり前で便利と依存している、[お金]・[電気]・[石油]というものが、大きな災害ではほとんど意味をもちませんでした。
そんな状況でも石巻などの被災地では、釣竿を持って、魚を釣り上げて家へ帰って行く、逞しさと生きる力のある人や
家には米・味噌・漬物など食べ物が常時あり、薪で生活をしている昔からの農家の人たちに、
現代の防災・備えという概念すら必要のない生活自体の強さを感じました。
自然から離れ、お金と電気に頼りきった都会という場所は、大きな災害では生活の脆さが露呈します。
それを知った上で、災害があった際、男性の方は、子どもたち、女性、お年寄りを守れますか?
働くことは大事です。しかし、共働きで子どもたちが孤独で不安な思いをすることがないように。
お金だけに頼りすぎることがないように。
本当の幸せと、家族を守れる働き方改革をするのは、政治ではない1人1人です。
東日本大震災の最前線で活動し、その後もボランティアとして被災地に関わってきた1人として感じたことです。
最後に、改めて東日本大震災で犠牲になった方々のご冥福と、被災地・被災者の方々の本当の意味での復興を願います。
ダウンシフト公務員
男性/47歳/香川県/オリーブ農家
2019-03-09 12:48