311
去年も書いたのですが、私は、3月11日をあまり特別な日にしないで欲しいと思っています。大騒ぎしないで欲しいと願っています。
特別な日にするなら、関東大震災の日(9/1)を『防災の日』にしているように、3/11を『防災準備を見直す日』などに制定すればいいと思っています。
胸をかきむしっても納得がいかない、テーブルを拳で叩いても叩いても抑えようのない理不尽な出来事は、日々の生活の中にもいくらでもあります。
3/11の地震と津波も、特別なことではなく、そのひとつなのです。
私は、けっして、津波で亡くなった方の魂や、そのご家族、関係する方のお気持ちを軽んじるつもりはありません。
私自身、海辺のいわきの実家も浸水し被災しました。父は無事でしたが。
宮城県石巻市の叔父やいとこたちが住む家は、きれいに何も残らず流されました。みんな命は無事でした。90才の叔父は1年後に避難先で亡くなりました。いとこの息子は、津波から逃げる時の恐怖で未だに心を病んでいます。津波に飲み込まれていく人たちを見届けてしまったらしいのです。
3/11になると急に騒ぎ出すことが、私にはとても不自然に感じます。
いい例えではありませんが、『1人殺すと殺人で、1000人殺せば英雄』のような詭弁に聞こえるんです。
とてつもなく理不尽な事故でひとりの人がひっそりと死んで行っても新聞にすら載らず、二万人が亡くなれば「風化させるな!忘れるな!」。
ひと言で「○万○人」と数に換算する事で、一人一人の命をかえって軽んじている気すらしてしまいます。
こうして毎年大がかりなイベントにすることは、被災された方への援助を放置したり、継続を忘れがちな行政へのシュプレヒコールとしては大切かも知れません。
何より、いつくるかわからない自然災害への準備を怠らない注意喚起としては良いことかも知れません。
しかし、もう、忘れたい人だっているでしょう。
私はその大勢のひとりです。
忘れた上で、大災害がいつくるかわからないことを覚悟して生きます。
生きていく上での理不尽な出来事は、地震に限らず、数限りなく起こっているんですから。
繰り返しますが、3/11に亡くなられた方の魂を軽んじるつもりはありません。
ご冥福をお祈りしています。
くみ
女性/65歳/東京都/黄色くみ広報室長
2019-03-10 23:38