名古屋旅日記・壱(ひまつぶし用)
三岸節子美術館へのアクセス方法を調べていたら『常滑』の文字が目に入りました。
《やきものの道》という路地裏のようなところをボンヤリと歩くのもいいなぁ、と思い立ちました。
夕方のSR渋谷のゲームまで、常滑散策に決めました!
正解でした♪
観光用に保存されているのでしょう。黒い板塀の古い家々の間を、クネクネと巡る細い通路。
その通路を守るように土手のように積み上げられ、敷き詰められた常滑焼の赤茶色い陶器たち。
地方の田舎とはいえ、まだこんなところがあったんだ… と思うような廃墟となった庭先。存在感のある錆びたドラム缶。
駅の観光コーナーでいただいた散策地図の道順に沿って歩き、番号が付いた基点で方向を確認していると、お団子屋さんのおばあちゃんが商売っ気を出して声をかけてきました。「お団子いかがですか?」と。
出先で何か食べようとお腹を空かせてあったので断る理由がありませんでした。
おしょうゆ味のお団子2本平らげて、また歩き出しました。
道々、窯のレンガの煙突が往時をしのばせます。
子どもの頃に遊んだ神社の裏山によく似たツバキ林がありました。
バッサリと落ちてなお美しい真っ赤なツバキの死骸が妖艶でした。このシーンに会えただけでも歩いてみてよかったです。来てよかった。
いかにもザ・お土産物店ではなさそうな、焼き物が一見無造作に、でも計算されて並べられているのであろうお店がありました。ガラス窓には陶器の風鈴が並んでいて涼やかな音を立てています。のぞいてみると店の奥には店主らしいおじいさんがポツンと座ってました。80代後半とお見受けいたす。
気むずかしい方だと面倒だな、とは思いましたが一軒くらい陶器のお店を覗いて見たかったので、おじいさんが良い人であることに賭けてドアを押してみました。
くみ
女性/65歳/東京都/黄色くみ広報室長
2019-03-16 21:52