ファンタジスタ案件
お疲れ様です。
失敗ファンタジスタと聞くと一人しか思い浮かびません。
私がイタリアンレストランでコックとして働いていた時の話です。
ホールの学生バイトにファンタジスタがいました。その男の子はバイト初日から「自分は頭が悪いんです。」とみんなに話し、休憩時間になると「脳にはブドウ糖が良いんです。そして、これブドウ糖100パーセントなんです」とラムネを頬張っていました。
確かに仕事覚えも良い方ではなく、少しのミスでかなり落ち込む神経質な子で、店長も手を焼いていました。
彼が入ってきてから3ヶ月ほどが経ち、だいぶ仕事にも慣れて来た頃、事件が起きました。
当時のお店はパントリーと言われる、ドリンク類を出すポジションがあり、そこには小さな段差がありました。
そこで彼がつまづき、持っていたトレンチごとドリンクをこぼしました。
しかもその先にはお客様のテーブルが
案の定お客様の足元にドリンクがかかりました。
慌てた彼は急いでタオルを走って持ってきます。
すると濡れた床で滑り
お客様めがけてストライク!!
悲鳴が店内に響きます。
さらに慌てた彼は大きな声で
「何やってんだおれ!!!」と叫びます
もうお祭り騒ぎです。
調理を止め現場に行くと
彼は体から流血!
もう、血祭りです。
「すみません、すみません」と言って
血を垂らしながら床を拭いている
彼を裏に引っ張り、とりあえず落ち着けといって、急いでお客様の元へ
店長と対応してなんとかお許しを頂き、その場を収め、裏の様子を見に行きました。
すると彼はまだ血だらけのまま。。
「大丈夫か?」と聞くと
腕を後ろに隠します。
「とりあえず傷は?」
「わかりません、見てませんでした」
「うそつけ、隠した腕だろ?」と腕を引っ張ると
カランカラン!と
ラムネの空の容器が二つ転がってきました。
ちなみにラムネはブドウ糖90パーセント配合です。
ウダツって何?
男性/41歳/埼玉県/会社員
2019-05-14 18:33