案件
漠然と日本には無いと理解していましたが、良きサマリア人法が無い日本はやはり窮屈です。
善意を持って人を助ける行動を起こした人が全力で対応したにもかかわらず、残念ながら結果が出なかった場合、行動を起こした人は罪に問われないという法律です。国や州によりまちまちですが、欧米では法律として制度化しています。
上空を飛行する航空機内で急病人が出て「お医者様はいらっしゃいますか?」と聞かれ、手を上げた医師が全力で対応したにもかかわらず、残念ながら急病人が亡くなられてしまい、この家族が訴訟を起こした場合、欧米の航空会社であれば航空会社が訴訟を受けて立つことになります。そして日本の航空会社は対応した医師個人が受けて立たねばなりません。欧米では「良きサマリア人法」が存在するので医師個人の責任が問われることはありません。航空会社も適切なフライトであったことを述べれば訴えを退けることができます。
こんなことでは日本国籍機の機内で医師が手を挙げるのはかなりのリスクを負うことになります。
そして、これは町中で倒れた人の救護であっても同様です。唯一は「緊急避難」で保護されるかどうかですが、民事では難しく、賠償に関しての判例も存在します。
食品ロスを無くす。これは素晴らしいことです。海外でも期限の迫った食料品をフードバンクへ集めて生活に困窮している家庭へ配布するサービスを行っています。日本でも同様なことは行うべきと思います。しかしながら、賞味期限が切れそうもしくは切れた食品で食中毒が発生したら、海外では善意で行われたこと故に罪に問われない不幸な事故ですが、日本では善意で行った人たちが処罰されることになります。であればリスクを取らずに食品ロスで処分したほうが良いという企業判断が出ても当然です。
従来、日本人は「良きサマリア人」ばかりであったはずです。コミュニティが壊れ、モラルがなくなり、何でも方で規制しないと気がすまない、自分で責任を負うことを避ける、事なかれ主義の国民になったのですから、あえて大好きな法律で規定しても良いのかもしれません。
FUJI2
男性/66歳/東京都/自営業と自由業は違うんだぞっと…個人事業主さまは言ってみる~
2019-05-20 11:39