寓話(案件ではないです)
四人兄弟が遊園地に遊びに行き、お土産に風船をひとつずつ貰いました。
一之介君は風船を膨らませて、両手でポンポンと遊びました。
二之介君は誰よりも大きく膨らませようとしてたくさん息を吹き込みました。
三之介君は膨らませた風船に紐を結び、手でしっかりと握っていました。
四之介君は折角貰った風船がもったいないので机の抽斗に仕舞っておきました。
一之介君の風船は、風に吹かれて飛んでいってしまいました。
四人はちょっと残念に思ったけれど、飛んでいく風船が面白くてケタケタ笑いました。
二之介君の風船は、膨らませ過ぎてパーン!と破裂してしまいました。
四人はビックリしましたが、何だか愉快でゲラゲラ笑いました。
三之介君の風船は、その風船を見てニコニコ♪っと笑った幼子の乳母車に結び付けられました。
四人は嬉しくなってほっこり微笑みました。
四之介君の風船は、抽斗の奥で遊んでもらえるのを待っていました。
時が経ち、風船は劣化し、ひび割れてしまいました。
四之介君だけ、風船で遊ぶことができませんでした。
四人が笑うことはありませんでした。
鴻の親父(おおとりのおやじ)
男性/66歳/埼玉県/居酒屋やってます
2019-05-23 11:11