社員掲示板

本日案件

雨が降るとたまに、ポールの事を思い出します。
実家を離れ暮らしていた大学生の頃、実家に帰省した際にいつもの散歩コースである山へ犬の散歩へ行きました。
その日は台風による大荒れの天気でしたが、全く気にせず伸び伸びと歩いています。
登山口へ近づくと草むらの中からか細い動物の鳴き声が聞こえてきました。
草むらを覗いてみるとずぶ濡れの子猫がいました。
山の中であっても木々の合間から葉っぱを伝った大粒の雨が打ち付けてきます。
可哀想ですが、親猫が戻ってくるかもしれないと思い、とりあえず山を登り、下ってきてまだそこに居たら連れて帰ろうと思いました。
山を下りてくると、そこには、まだずぶ濡れの子猫が。
今度は先程よりも弱っていて鳴き声もありませんが、息はしている様子。
ただ、当時の自分は実家を離れており下宿先のアパートへは連れて帰ることは出来ないので、勝手に実家に連れて帰ることになるのですが、やはりずぶ濡れの子猫をそのままにしておくには可哀想でした。
家へ連れて帰り事情を説明すると、両親も快く迎え入れてくれました。
ずぶ濡れの子猫には親父がポールという名前を与え、犬と猫の楽しい生活が始まりました。
そして4年後の同じ頃、台風の中家を出て行ったポールは次もその次の日もそしてその後も帰ってくることはありませんでした。
大雨の中やってきたポールは大雨の中去って行きました。
他の家で飼われてるのかなあ、拾った山に帰ったのかなあ、どうであれ元気に暮らしてくれている事を祈っています。


箱男

男性/33歳/千葉県/醸造家
2019-06-26 18:03

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