【案件】本当に怖いのは…
学生時代、京都に住んでいました。
ある夏、友人と悪ノリで肝試しへ行くことに。
とは言え、有名な場所(心霊スポット的にも、観光地としても)ではなく、
北のほうの山中にある小さな神社に、サクッと行って帰って来よう、という話に。
目的地の少し手前でカブを降り、
友人と一緒に神社を目指しました。
すると、暗い林の奥から、
カーン、カーン…と嫌な音が……。
だんだんと目が慣れてきたころ、
暗闇に浮かんできたのは、何やら白いもの……。
そこにいたのは、
白装束を着て、丑の刻参りをしている人間でした。
本能的に「ヤバイ!」と感じ、
急いで来た道を戻る友人と私。
その音で気づかれたのか、背後から奇声が迫ります。
そこからはもう、死に物狂いの追いかけっこ。
なんとかカブに飛び乗り、自宅まで疾走しました。
サイドミラーは怖くて見れませんでした。
あとで知ったのですが、丑の刻参りは
呪いをかけているところを見られると、
その呪いが全部自分に返ってきてしまうものらしいです。
そりゃあ死に物狂いで追っかけてくるわ…と思いました。
本当に怖いのは、お化けじゃなくて人間なんだなと思いました。
らさ
女性/36歳/東京都/会社員
2019-07-31 13:26