社員掲示板

本日の案件

本部長、秘書、お疲れ様です。

僕の、少し心霊現象込みの、背筋が凍った話です。

もう8年くらい前のことでしょうか。
僕はリーマンショック後の不況で就職に失敗したことをきっかけに、6年間引きこもっていました。

26歳にもなって、仕事もせずに毎日ゲームとアニメを見る自堕落な生活を送ってはいたものの、やはり心の中に「このままじゃいけない」という気持ちは積もっていきました。

そんなある夏の日、ついに自分の中で何かが弾けてしまい、冗談ではなく心が壊れる音が聞こえました。
もう一生起き上がれないのではないかと、本気でそう思えて、背筋が凍りました。

その夜、高校時代の親友が夢に出てきました。
久しぶりに見た彼の顔に、とても懐かしく温かい気持ちになりました。
夢の中でなにを話したかはっきりとは覚えていませんが、ただ一言「お前は大丈夫だよ」と言われたことだけは覚えています。

夢から覚めたとき、携帯電話が鳴りました。
もう数年も連絡のなかった友人から、先程夢に出てきた親友の訃報を伝える電話でした。
引きこもっていた間、自分が恥ずかしくて一切友人たちとの連絡を絶っていた僕は、親友が不治の病にかかってもう数年も闘病中だったことも知らずにいたのです。

面倒見の良かった彼は、最後まで僕のことを気にかけていてくれたのでしょうか。
夢の中の彼の優しい顔を思い出して、涙が止まりませんでした。
壊れそうになった心が、何かで繋ぎとめられたような気がしました。

その後僕は一念発起して働き始めました。
20代後半にして職歴なしなので、とてもブラックな職場しか雇ってくれませんでしたが、夢の中の彼の言葉に後押しされ、必死にしがみいて技術を磨きました。
その甲斐あって昨年転職し、今ではそこそこのお給料と人並みのお休みももらえて、幸せに暮らしています。

あれから毎年、夏がきてお盆が来るとあの時のことを思い出します。
少し不思議な、温かい記憶です。

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男性/39歳/茨城県/会社員
2019-07-31 19:17

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