信じてはいけない案件

本部長、秘書、社員の皆さまお疲れ様です。私が身をもって思い知らされた信じてはいけない言葉は『絶対に返すからお金を貸して』です。結婚したての30歳の頃、高校卒業以来一度も連絡を取っていなかった部活の友人から電話がかかってきました。房総半島の最果てで、婚約者と一緒に事業を興したいので、どうしてもお金を借りたい、あるだけでかまわないとのこと。私は主人に相談すると「絶対にお金は返らないから貸さないほうが良い。どうしても貸したいなら、2度と返ってこない覚悟と、友達を失う覚悟で貸しなさい」と言われました。そして、私は一万円を送ってあげました。結末は主人の言った通りでした。私はきっと、12年も会っていない友達にお金を貸して欲しいと、電話をしなきゃいけない程の状況の彼女を哀れんだのでしょう。それでも後悔はしませんでした。今はただ彼女が幸せに暮らせていることを祈るばかりです。

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