一目惚れだったのに

大学に入学してサークルに入って間もなく、背が高く、顔も自分好みでカッコいい先輩がいて、一目惚れしてしまいました。
見るだけでも幸せ、言葉を交わすだけでも嬉しくて、なんだかんだと理由をつけて、先輩のバイト先へ毎日のように通っていたら、冬が来る頃、告白されて、おつきあいが始まりました。
その先輩は、見知らぬ人が目の前で落し物をしたら拾って渡してあげたり、電車でお年寄りがいたらすぐに席を譲ってあげたり、本当に素敵な方で、私にも優しくて、それはそれは、幸せな毎日でした。
付き合い始めて1年半くらい過ぎた頃、先輩のバイクが盗まれてしまいました。
バイクがない間、使うこともないからと原付に乗る私にフルフェイスのヘルメットを貸してくれてましたが、ある日、駐車場で原付のハンドルに掛けていたヘルメットまでも盗まれてしましました。
聞くと、そのヘルメットは先輩の叔父さんが入学祝いに買ってくれた大事なものだったそうで、「盗んだやつ見つけたらぶっ殺してやる！」という先輩。
その「ぶっ殺す」の一言で、私の気持ちが引いてしまい、、数ヶ月で別れてしまいました。

何年か前に興味本位でフェイスブックでその先輩の名前を検索したら見つけてしまい、独身と書かれていて、とても複雑な気持ちになり、すぐフェイスブックを閉じました。

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