社員掲示板

大切なものは何?

皆様お疲れさまです。
毎年忘年会シーズンに思い出す出来事があります。
当時私がいた会社では、土日深夜早朝関係ないという激務の反動もあってか、とにかく仕事納めの日に開かれる忘年会がそれはそれは盛り上がります。ベテランの幹部職員なんか、このために一年仕事してるんじゃないかと言うくらいです。毎年新入社員がその忘年会の幹事という大役を、勉強という意味も込めて務めていたんですが、ある年、その事件は起こりました。
いつものように仕事納めに開かれた忘年会。普段は会社に顔を出すことの少ない駐在員の方達も集まり、総勢40人くらいの集団が幹事から指定された店へ。そこは職場の誰も聞いたことのない店で、ベテランの人たちは「若い人が選ぶセンスは違うねー」などと言っていましたが、当時30歳くらいだった私は一抹の不安を感じておりました。
そして入店。長いテーブルとベンチ椅子が広いとはいえないスペースに押し込まれただけの店内。コートや荷物を置くスペースもなく、大学生くらいと思われる若者たちの集団と文字通り肩をくっつけるように座ります。
店内には大音量のJポップが響き、向かいの人と話をするのもままなりません。
(何かが根本的に違っているのでは)という思いを皆が抱き始めたものの、幹事の女性新人社員だけはニコニコと「ビールとフード、お願いしまーす」とか叫んでいます。
そして運ばれてきた料理は、ポテトチップスとポッキーのもりあわせ、さきイカとピーナッツ類などのいわゆる乾き物。油の回った唐揚げの大皿とケチャップを添えたゆでたソーセージ。以上。
言葉を失っている一堂の中から、かすかに「おい、刺身はないのか」と絞り出すような60代の駐在員さんの悲痛な声が聞こえてきたのを今もはっきり記憶しています。
そこへ戻ってきた幹事がニコニコしながらひと言。
「これで飲み放題付きでひとり2500円だったんですよ!名幹事でしょ!」
そう、そうだったんです。私も当時大学を卒業してしばらく経ちすっかり忘れていましたが、学生時代はいかに安く抑えるか、それだけが基準でした。
しかしそんな懐かしさに浸っている場合ではありません。不穏な場の雰囲気をさすがに察知した幹事の顔色は一転青ざめ、オロオロしています。
結局、部局長の「もう出よう」のひと言でその年の忘年会は30分足らずでお開きとなったのでした。

ウニ年生まれの猫

男性/58歳/熊本県/会社員
2019-12-05 15:35

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