案件
漫画の現場の仕事場は部屋にこもりがちで外の様子が分からないもの
その日も雨が降っているらしいことをラジオの情報から聞いていたものの、帰るときに傘を借りた方がいいかと思ってマンションの階段の高いところにある窓から外を覗いたのです
階段が下に降りてくとこの、ハリの部分に出っ張ったところ、そこの高いところに窓があるんです
その窓から外を覗きました
雨が吹き込んでました
足元が濡れてました
「ツルッ」と滑った僕は、あっという間に階段までの2mくらいを落下していきました
しかし問題はそこからです
階段へしたたかに背中を強打した僕はそのまま階段を転がっていき、壁から壁へ、踊り場から踊り場へと階段をピンボールのように転がっていきました
頭の中で走馬灯が流しながら僕は「いま俺、こち亀の両さんみたいに見えるだろうな…」と思いながら、マンガみたいな勢いで階段を1フロア半ほど転がっていきました
命の危機を感じながら転がっていきましたが幸い大したことは無く事無きを得ました
ただ、足の小指が三カ月くらい痛かったのは、きっと神さまからの「気をつけろ、死ぬぞ」という戒めなのだと思いながら耐え忍びました、とさ
obaba5689
男性/52歳/神奈川県/マンガ家のアシスタント
2019-12-16 17:54