もしもし案件
もう20年前になりますが、高校一年生ときの話。
田舎だったので、当時はまだ携帯電話を持っている高校生は少なく、友達との連絡は家電(いえでん)を使っていました。
ある時期、仲良くなった同じクラスの女の子と毎晩のようにお互い家電で電話していました。家族が出たら嫌なので、学校で「今日は何時に電話するから」と示し合わせておいて電話をかける、友達以上恋人未満的な、今思えばとても微笑ましいやりとりでした。
しかしある時、いつものように家電で話していると、受話器の向こうからドスドスドスという大きな足音がしたかと思うと「切れーー!!」という怒号とともに電話が切れてしまいました。余りにも毎晩長電話しすぎて、相手のお父さんがブチ切れて怒鳴られたのです。
こちらからもう一度かけ直すわけにもいかず、しばらく電話の前で立ち尽くしてしまいました。
高2くらいからどんどん携帯電話が普及し始めて、親を気にしながらの電話というのは無くなりましたが、あれはあれでいい思い出です。
ちなみにその女の子とは、恋人以上になることはなく、今は連絡先も知らない友達未満になってしまいました。
長閑な青い光
男性/41歳/神奈川県/会社員
2019-12-19 12:41