社員掲示板

多分化かされてはいない

あれは忘れもしない、わたしが中学生だったあの日の夜。
我が家は母子家庭で、夜9時くらいに母親から帰宅の電話が掛かってきました。
「いま吉祥寺駅、いまから(電車で)帰る」
わたしは「はーい、待ってるね」と返事をして、電話を切りました。
それから約1時間後。また母親から電話が掛かってきました。
「いま吉祥寺、いまから帰る」
「え?あ、うん。待ってるね」
さらにそれから約1時間後。また母親から電話が掛かってきました。
「(真剣な声で)おかしい…吉祥寺から出られない。わたしは狐に化かされている」
わたしは察しました。
「いやそれ絶対寝てるでしょ。椅子に座らないで帰っておいで」
そられから約20分後、最寄り駅に着いたらしい母親からまた電話があり、わたしは駅まで迎えに行くことにしました。
(ありゃあ、しこたま酔ってるな)と思いながら駅への道を急ぐと、道の端から端までキレイにジグザグで歩く親の姿を発見。
近寄れば、コートを表裏間違えて着てるようで、肩から肩パッドの羽を生やしていました。
「歩くの疲れた」と騒ぎだす 酔っ払い(母親)を交わしながら、なんとか無事家に帰ったのはいい思い出です。

はなこになりそこねた女

女性/46歳/埼玉県/パート
2019-12-19 17:18

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