竹取物語
ゼミのレポートが明日までで、竹取物語についての考察を書くのですが、
素敵なことに気がつきました。
かぐや姫は、もともと月の都の人間で、最後は迎えにきた人たちと一緒に月に帰って行きますよね。
その時に、あんなに色んな男に言い寄られても結婚する気がなかったかぐや姫が、唯一文通をしていた「帝」(なんなら帝からの申し込みも断った)に、クスリと手紙を残して行きます。そのクスリは、不老不死の薬でした。
月の人間は、竹取物語の本文によると、歳をとりません。美しい者ばかりが揃っています。おそらく死なないのでしょう。だから、帝がその薬を飲んでくれれば、いつかまた逢えると思って、その薬をあげたのでしょう。
ですが、帝は、その薬を飲みませんでした。
まず、かぐや姫は、月に連れていかれる前に、翁に「月の人間は思い悩まない」と言っています。その証拠に、かぐや姫は帰り際に最後まで育ててくれた翁や嫗の存在さえも忘れ、何の悩みもなく旅立つのです。
おそらく帝のことも、、。
では、帝はどうしたかというと、中将に頼んで、天に一番近いと言われている、ある山の頂上でそのクスリと手紙を燃やさせたのです。煙はみるみる空に舞い上がります。
それから、その山は、「富士の山」と呼ばれるようになったそうです。
ここが趣深いのです。
以前、かぐや姫に五人の求婚者が現れた時、それそれに難題を出すシーンがありますが、「火鼠の皮衣」を持ってくるよう頼まれた阿部右大臣が詠んだ歌に「火」というワードが出てきますが、彼はそれを掛詞として「思ひ(い)」とかけるのです。姫に対する気持ちです。
つまり、帝がわざわざ山の頂上で燃やしたのは、和歌こそありませんが、おそらく「思ひ」とかけていると考えました。竹取物語では、二度程度、同じ単語を全く違うシーンで使う傾向がありました。だから、単なる偶然とは考えませんでした。
帝の気持ちを彼女には届くはずのない、けど、天にはきっと届く「富士の山」で、不老不死の薬をくれた彼女に、「思い」を「火」にのせて煙として届け、消えていくのです。
、、不毛な投稿でしたね笑
もっとお偉い方々がすでに考察済みなのかもしれないですし、あってないかもしれませんが、個人的にこれで落ち着きました笑
すまいりー
女性/26歳/東京都/公務員
2020-01-08 08:26