本日の案件
お疲れ様です。
本日の案件を熱意たっぷりとお伝えします。
僕は高校卒業後、ある建設会社で働き始めました。
そこは主に一戸建て住宅やアパートの基礎工事をする職場でした。
建設業界では基礎屋などと言われています。
ちなみに、水道工事をする職人を水道屋、足場を組む職人を足場屋と呼ぶのが我々建設業界の専門用語みたいなものです。
さて、話は戻りますが、我が基礎屋には2人のトルコ人がいました。
彼らは兄弟でした。
当時、僕がハタチ前後で、兄が三十二歳、弟が二十七歳でした。
そんな2人と僕はとても仲良しでした。
彼らは母国、つまりトルコで、家族経営で宝石屋をやっていました。
ですが、その宝石屋が強盗に遭い、経営が傾いたということで、日本に出稼ぎに来たのです。
彼らは2人とも、すごく陽気で優しい人間でした。
特に、弟とは、歳が近いこともあり、親友のような関係でした。
僕らはしょっちゅう遊びました。
仕事の日も、休みの日も。
いろんな思い出がありますが、最も印象に残っているのは、2002年の日韓ワールドカップです。
あの年、日本はベスト16に進みました。
しかも、決勝トーナメント1回戦で、日本対トルコの激突。
僕らはテレビにかじりついて応援しました。
結果、トルコの勝利。
あの時の彼らの喜びようと言ったら半端なかった。
そして、トルコは3位になりました。
覚えてますか?超イケメンのイルハン選手。
話を戻しましょう。
日本に出稼ぎに来てから5年後、彼らは母国に帰りました。
僕が二十七歳くらいの時です。
すごく泣きました。
お互いに。
あれから10年、彼らは宝石屋を再建したとのことです。
それは、僕らが今だにSNS等で繋がっているからです。
そのうちまた日本に遊びに来て欲しいです。
けいごん
男性/43歳/神奈川県/フーテン
2020-01-22 03:38