今日の鼻歌

【俺の借金全部でなんぼや/有山淳司と上田正樹】


かなり前だけど。
行きつけのライブハウスがあってね。中国企業の地上げにあって閉店を余儀なくされたんだけど。

歴史ある店で。
達郎さんやら、坂本龍一さんはじめ、けっこうメジャーなミュージシャンが出ていた店でさ。

クラブクワトロとかビルボードトーキョーとか想像したらダメよ(笑) そういう“ライブハウスっぽいオールスタンディングのホール” じゃなくて、本当に音楽聞きながら酒飲むような店だから。

地下で、狭くて、汚くて、
喫煙オッケイだから空気も悪くて(笑)

ある日、当時の人気のミュージシャンが集まるセッションがあってさ。

メンバーの中には、山崎まさよし、スガシカオ、シングライクトーキングあたりの一線級の人達のサポートをしている人もいたし、何人かは、若くてスマートでイケメンなのに演奏者としても腕が立つから、裏方のセッションミュージシャンなんだけど、若いお姉ちゃんのファンが結構ついたりなんかして、キャーキャーいわれてて。

会場にはそういうお姉ちゃん達も多数いて、結構、混んでたところでヤレヤレと思いながら、当時はまだオレ 喫煙者だったから、煙草に火をつけようとしたら、3列くらい前にいたオッサンが先に火をつけてて、そしたらオッサンの真後ろにいたお姉ちゃんが、デカイ声で、

「臭っさっっ！」

って、言ったんだよ(笑)

そしたらオッサンが後向いてさ。言い返した。

「 あのよ、オレはよ、お前らが生まれる前からこの店通ってるわけよ。ここじゃ、タバコくらい当たり前なんだから、お前らが『 ガスマスク 』つけてこいよ(笑) 」

まぁ、周りは爆笑して。

お姉ちゃんはムッとしてたけど。

その日のバンドはブルースバンドでさ。
当の主役のブルースシンガーが、バーボンあおりながら歌ってるわ、ギターの間奏の間はお客さんの前で堂々とタバコ吸ってるし（ステージ上で）まぁ、ブルースシンガーだからね(笑)


なんか、オリンピックとか引き換えに
そういう場所もどんどん失われていくよな。

新しくて、キレイで、健康的な街。

悪くはないが、好きでもない。

基本、つまらない。

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