お手手をつないで
某SNSを見ていたら。
犬の『散歩中』に、嫌がらせなのか、愉快犯か、道端に置かれた毒入りの食べ物を犬が食べて死んだ、という飼い主による怒りの書き込みがあった。
「犬にはなんの罪もないのに」だと。
毒餌を置いた犯人について「許せない」というリプライも多数。それは当然だけど。
しかし。
散歩中に、拾い食いを見落とし、帰宅して昏倒するまで気がつかない、という飼い主のずさんさもまた、オレは許せない。
マジ、ありえない。
道を歩くならリードは最短に。
犬をピタリと横に着けて、仰角ぎみに前を向かせて、リードはピンっと張った状態で緩めることなく、手のひらに巻き付けておく。
大型犬ならリードの長さは5cmもあれば十分。ほぼ首の真後ろを持つ。
コーギーやダックスでもせいぜいが30cmくらいである。
拾い食いはおろか、下を向くことも許さないストイックさである。それは人間と犬との関係において、生活全般にも影響する躾の一環であり、絶対的な安全対策でもある。
万が一、犬が強引に下を向いて、拾い食いをしてもすぐに気がつく。その場で指を突っ込んで吐かせることも出来る。
そうしてリードを張っておくと、歩きながら、こちらの意図も伝わりやすいし、逆に、犬の息づかいや健康状態、気分も伝わってくるのである。リードを介してコミュニケーションがとれる。
自分が学んだ訓練士の先生はそれを「ちゃんと お手手つなぎなさい!」と表現していた。
目的地について、安全が確認できたら、長いリードに付け替えて遊ばせれば良い。そうしたメリハリも日頃の習慣である。
ちゃんと飼い主からもらう食べ物にしか執着しない子もいれば、食欲大魔王みたいな子もいるし、タバコの吸殻やペットボトルの蓋など何でも口にしちゃう子もいる。我が子の弱点を知るのも親の努めだろう。
ダランダランとのびたリードで、臭い嗅ぎ回ろうが、マーキング(おしっこ)しまくろうが、拾い食いしようが、噛みつこうが、噛まれようが、自転車に引かれようが、歩行者を危険に会わせようが、相手が悪いのだろうか。
「犬にはなんの罪もない」ことだけは確かだ。
リードの長さ=飼い主のだらしなさ。
オレはそう判断している。
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2020-02-02 02:33