案件
みな様 お疲れ様です。
本日の案件ですが
私には忘れられない「うまいもの」があります。
それは学生時代、友達と真冬に原付で旅をしていた時
寒さと疲労の限界で深夜でも営業していたので立ち寄った横浜中華街の「刀削麺」屋さん。
そこのお店は「本日」が開店日だったらしく、間口にはお花が飾ってありました。
僕は初めてだったのでとりあえず「刀削麺」を頼んだのですが、
開店初日の為かホールとキッチンの連携がうまく取れてなかったりで
注文したものがなかなか来ず、大分待ちました。
生地を中華鍋に切り落としていく様を見ながら暇をつぶしていると
隣の関にも、同じように自分の注文した料理がなかなか来ないお客さんが一人。
その男性はスーツ姿だったのですが、少し酔っぱらっていて、料理が来ない事の文句を一人ブツブツとつぶやいてました。
ようやく、自分の「刀削麺」が運ばれておいしくいただいていた時。
となりの男性が店員さんに対し怒鳴り始めたのです。どうやら先に注文した男性よりも他のお客さんの料理がいくつも早く出ている事に文句をつけているようでした。
しまいにはこんなもの食えるか!とようやく来た自分の刀削麺を退けてました。
ただその後、男性もブツブツ文句を言いながらですがしぶしぶ「刀削麺」を口にすると、小さな声でぼそり、、
「…うまい」と一言。そのあと、ちらりとみると男性の目からは涙がぽたぽたとこぼれていました。
今となってはどこにあったお店なのかもう覚えてませんが、たまに街に「刀削麺」を見かけると
あの男性には何があたのか、大人は色々と大変なんだなと思いながら、刀削麺を啜っていたのを思い出します。
ピルパーラ
男性/35歳/東京都/会社員
2020-03-11 18:51