スカロケ小説第二十七話
「はっ!また同じ夢か」
一人の男、スカロケ座の怪人はさちの夢を見てはね起きた。
怪人は、サイドテーブルの上のベルを鳴らし、ベッドの掛け布団をめくり、起き上がる。
トントン!
怪人の部屋のドアをノックする音がする。
「入ってよし、さち」
怪人は答えた。
「お呼びですか?」
ドアを開けて入ってきたのは夢のさちと同じ名前の若い女性型アンドロイドの早乙女さちだった。
「最近、私、心ここにあらずっていうかまるでもう一人の自分が別の世界にいるような気がするんだ」
ぱるふぁむはそう言ってアイスコーヒーを飲んだ。
「あっ、私も!」
ぱるふぁむの右隣に座ったこめこぱんが同意する。
「別の自分が異世界にでもいってて冒険してるみたいな!みんなは?」
そのカフェに集まったスカロケ社員たちのほとんどが同じだった。
カリン
女性/60歳/埼玉県/小説家見習い「帰って来たスカロケ小説」更新中
2014-11-28 18:05