ビューティフルドリーマー
20歳ぐらいの頃、
学園物で『高校の文化祭前日』が何度もタイムリープする、という映画がありました。
みんなでわいわい、夜遅くまで学校に残って文化祭の準備をして「さぁ、いよいよ明日だ!」って寝て朝になると、また前日に戻っている、という。
実は大好きな仲間とずっと楽しく暮らしていきたいという、ある女の子の夢の中に、魔法使いが人々を閉じ込めてしまった、というカラクリが徐々にわかってくるんだけど。
この物語の秀逸なところは、多くの人が体験してるであろう『文化祭の前日』というシチュエーションなんだよね。
高校生という、多少、帰りが遅くても許されるけど、まだきちんとした門限もあるような微妙な年頃。
普段、夕方には追い出される学校も、文化祭の時だけは公然と遅くまで居残りしていいという中、夜の学校で、やいのやいのと騒いだり、長々とおしゃべりをしたり、夜食を買い食いしたり、あるいは(共学の場合)は普段よりも女子を意識しちゃうこともあるだろう。
それは、後から思い返せば、夢のような時間であり、夢はいつか現実にとって代わるわけだけど。
例えば映画とか音楽とか、あるいは舞台やラジオなどにかかわる『モノを作る人』って、何かの手違いで、永遠に『文化祭の前日』をくり返してるような人達じゃないかと思うわけ。
それはレストランも同じなんです。
ずっと夢の中を生きてきた。
もちろん「何より命が大切」という意見は正しい。
しかし、殺伐とした現実ばかりの世界なら、
生きている意味を感じない。
例え感染症にならなかったとしても。
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2020-04-03 16:09