いつもは韓国映画なんですが②
昔、小川洋子『博士の愛した数式』を読んで
数学者の頭の中
や
彼らはどんな風に世界をとらえているのか?
に興味を持った事がありました。
その時買った 藤原正彦(数学者。山岳小説で有名な新田次郎の息子。『聖職の碑』がきっかけで一時期、新田文学にはまりました。)『天才の栄光と挫折 ~数学者列伝~』を引っ張り出し、ページをくると
ありました
《シュリニヴァーサ・ラマヌジャン》
(ΦωΦ) う~ン
映画は、やはり“いいとこ取り”なんですね。現実は、もっと厳しかったみたいです。
藤原先生の本には、ラマヌジャンを始め関孝和など9人の数学者の生涯が紹介されています。
私が最も興味を惹かれた人物はアラン・チューリングです。
ラマヌジャンを英国に呼び寄せ、指導した英国人ハーディ教授の教え子 の一人で、悲劇の数学者です。
彼は、第二次世界大戦中に 『解読は絶対不可能』と言われていた ナチス・ドイツの暗号《エニグマ》を解き明かしたチームの一員であり、解読を効率化するための機械チューリング・マシンの生みの親です。コロッサスと名付けられたこの機械は、コンピュータの原形と言われています。
国家機密に関わり、戦後ホモセクシャルで逮捕され、有罪判決を受けた(当時のイギリスでは、ホモセクシャルは違法だった)チューリングは長い間その功績を顧みられませんでした。1954年に失意の中、命を絶ちますが(これには異論があります)、国や社会情勢・差別に翻弄され続けたチューリングを描いた映画『イミテーション・ゲーム』も観てみたい。
豆乃花
女性/55歳/東京都/自営・自由業
2020-04-05 17:50