あの日あの時あの場所で 案件 〜嗚呼カラオケ物語〜
本部長、秘書、リスナーのみなさまお疲れさまです。
私のカラオケ物語ですが、介護福祉士として働いていた2001年のことです。55歳の男性が、入職してきました。銀行を退職し、第二の人生として私の後輩となりました。黒縁めがねでいかにも真面目な対応。常にクールな振る舞いでお堅いイメージがぴったりでした。そんな新人歓迎会で、二次会に行ったときです。その男性はお酒が飲めなかったので、部屋の片隅で周りの片づけ役をしていました。宴もたけなわになってきたころ、一曲も歌ってなかった新人の男性が、指名されました。新人歓迎会なのに新人が一曲も歌わないのはおかしいとのことで、半ば強引にマイクを持たされたのでした。そして、その歌い上げた曲名は「私鉄沿線」でした。渋い声で歌い上げ拍手喝采。みんなが盛り上がり五郎、五郎の五郎コールとなりました。それもそのはず、新人の男性は、歌手の野口五郎と同姓同名だったからです。私鉄沿線を歌い上げ、五郎コールを受けるのは銀行員時代からの十八番だそうで、同姓同名をうまく使って盛り上がるお手本のようなパフォーマンス。してやられた出来事でした。
ふわふわクッキー
男性/52歳/東京都/自営・自由業
2020-04-22 08:01