頑張れ障害者
こんにちは。
懐かしい写真や映像を観ると胸の奥がキューンと
締め付けられる。皆さんにも経験があるのではなか
ろうか。旧いアルバムをめくり、若かった頃のこと
を思い出す。この歳になると、当時のように溢れん
ばかりの精神力など、出はしない。昔は誰もがいい
意味でバカだった。体力もみなぎっていた。気合も
入っていた。10代後半〜20代前半くらいの勢い
はなくなった。現在は。
あの頃は自分や仲間が世の中の中心にいるような
錯覚を抱いていた。なんだったのだろうか。自分が
とてつもなく偉大な存在に思えて仕方がなかった。
どんなことでも出来ると感じていた。
今は全く思わない。現実というか、限界を知らさ
れている。自身の微力さにうんざりすることもしば
しば柴T。すまない、このダジャレは分からないで
あろう。冗談はともかく、若さだけで押していた時
が懐かしい。「昔は良かった」なんて、後ろ向きな
発言はしたくないものの、過去の記憶を振り返って
みると、どうしてもキラキラと輝く湖のように、瞳
が光る。
とは言え、過去の記憶ばかりを美化するのも考え
モノだ。時間は決して遡りはしない。10分前だろ
うが5分前だろうが1分前だろうが。もっと言えば
1秒前でも。我々は「今」を生きている。このこと
ばかりは変えられない。残念ながら。
だったら、精一杯頑張るしかない。逆境に立たさ
れても。それがこの世に生を受けた者たちの使命で
あり役割なんだと思う。
こんなことを深く考えるようになったのも、自分
が老いてきた証かもしれない。ハタチくらいの頃を
振り返ってみると「楽しければ良くねえか」という
気持ちだった。
しかし、人生はそんな単純ではなかった。38歳
になって分かってきた。まあ、理解せざるを得ない
苦痛を味わったから、仕方がない。いいか悪いかは
不明だが。出来ることならば健常時代に戻りたい。
そして、思い切り走ったり歩いたりしたい。車椅子
で生活をするようになってから6年が経つが、簡単
に前は向けない。もちろん、出来る範囲内のことは
やっているが。
それでも、思い出すのは元気な自分の記憶だ。
まあ、負けるなよ。
けいごん
男性/42歳/神奈川県/フーテン
2020-05-10 17:19