思い出2
高校卒業後、僕は路上ミュージシャンとして活動していた。
地元所沢で。
所沢には、プロペ通りという繁華街がある。
そこは路上ミュージシャンや路上芸人、路上絵描きなど、パフォーマーが多かった。
そこで僕は路上ライブをやっていた。
当時、ゴリゴリのパンク野郎だった僕は、路上ミュージシャンに多い「しっとりバラード系」ではなく、「がなり立て熱唱型」だった。
ギターも、アコギではなく、エレキとミニアンプという異色のスタイルだった。
僕が使っていたのはエピフォンのレスポールとピグノーズの高性能ミニアンプだった。
毎晩もしくは2日おきに演っていた。
前述の通り、ゴリゴリのパンク野郎だった僕は、ブルーハーツかハイロウズしか歌わなかった。
まるで頑固オヤジのように。
だから、立ち止まってくれる人も、酔っ払いのオッさんとか、ヤンキー兄ちゃんだった。
女性客は滅多にいなかった。
たまに、出勤前のキャバ嬢がニコニコと観てくれたが、しばらくすると立ち去って行く。
そんな路上活動をしていた僕だが、忘れられない夜がある。
いつだったか、歌いながら夜空を見上げたんだ。
すると、満天の星が輝いていた。
あの空は、未だに脳裏に深く残っている。
そんな若かりし思い出。
今後も忘れないだろう。
けいごん
男性/42歳/神奈川県/フーテン
2020-05-22 12:11