案件
本部長、秘書、社員のみなさま、お疲れさまです。
思い出に残る弁当は、小学五年生の時に通っていた塾で食べたお弁当です。
当時、放課後、電車に乗り、高田馬場にある学習塾に通っていました。いつもは母に、休み時間に食べる夕食となるお弁当を作ってもらっていたのですが、その日は母が風邪を引き「晩ごはん、なんか買いなさい」と1000円を渡されました。
小学五年生の私には、塾までの道中に妙に惹かれる店がありました。それは「餃子の王将」です。大人の雰囲気を感じていたからです。
お店につき、お店の外にあるお弁当コーナーの小窓から勇気を出して店員さんを呼び、「お弁当買いたいです!」と伝えました。
店員さんは「お兄ちゃん何が良い?」と言い、メニュー表を渡してくれました。緊張もしていたので、慌てた私は、メニュー表の中で目についたレバニラ定食弁当を注文しました。
レバニラを今まで食べたことのない私は、お弁当ができるまでの間「チャーハンとか餃子にすれば良かった」と心底後悔していました。
塾の休憩時間になり、お弁当の蓋を開けるやいなや、醤油、ニンニク、生姜の香り。もやしとニラはシャキシャキ、レバーのコクと旨み。美味しい。大人の料理にときめきました。
友達も私のニラレバ弁当に興味津々。その日は、クラスの人気者になったようでした。
餃子の王将でお弁当を買ったこと、ニラレバに魅力されたこと、大人に近づいた瞬間でした。良い思い出です。
おなかヘリコプター
男性/38歳/神奈川県/会社員
2020-06-03 09:25