思い出8
中学時代、俺は取り立てて取り柄のない普通の学生だった。
運動神経がいい訳でもなければ、勉強が出来る奴でもなかった。
そんな俺はバスケ部だった。
当時、あのマイケルジョーダンが現役選手として活躍していた。
当時のバスケ人気は半端なかった。
ジョーダン以外にも、チャールズバークレーやグラントヒルやペニーハーダウェイやシャキールオニール(シャック)ら、化け物的スーパースターがゴロゴロいた。
彼らのようになりたいと、毎日毎日ガムシャラに練習をした。
当時のバスケは社会現象だった。
まさに「ネコも杓子も」というヤツだ。
俺は、スタメンだった。
全国や関東大会に出るような強豪ではなかったが、弱いチームではなかった。
勝ったり負けたり。
そんな感じだった。
ところで、スポーツには「ZONE」という言葉がある。
とてつもなく絶好調で怖いくらいの状態を表す。
一度、そのZONEになったことがある。
いまだに忘れられない。
前半だけで4本連続スリー。
プロ選手でも4本連続スリーなんて滅多にない。
それをやった。
あの日の俺はなんだったのだろうか。
バスケットゴールがデカいバケツに見えた。
ゴミ箱に紙くずを放るくらい容易だった。
20年以上前のことだが、ハッキリ記憶している。
けいごん
男性/42歳/神奈川県/フーテン
2020-06-13 05:36