本日の案件

本部長、秘書、お疲れ様です。
本日の案件ですが、事件はぼくが確か高校生の頃に起きました。

父が深夜になっても仕事から帰ってこない。
当時はまだ携帯電話なども持たず連絡が取れない。母とぼくら子供は心配していました。
日付も変わった頃、玄関でドタドタッと音がしたので急いでドアを開けるとそこには、ずぶ濡れ泥だらけ血だらけの父が倒れていました。
びっくりして急いでズタボロの父を引きずって中に入れましたが、なんか様子が変。
酔っ払ってる！　腹が立ってきてズタボロの父を放置して寝ました。
次の日の朝、風呂に入って汚れは落ちたものの傷だらけの父に、どうしたんだと聞くと、「酔っ払って川に落ちた」と。　酒癖のあまり良くない父に、下手したら死んでたかもしれないぞ！と家族みんなの罵倒に父がポツリとひと言。
「穴があったら入りたい」　
リアルにこの言葉を言った人を初めて見ました。

かわいそうなのは母です。次の日夫婦で人に会う用事がありましたが、相手はボロボロの父を見て、夫婦喧嘩で母に手痛くやられたと勘違いされたそうです。

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